2012/08/01

聴覚障害者のスポーツ参加について

先日、Deaf Athlete Japanのお手伝いで高杉奈緒子さんの取材という名目で鈴鹿サーキットまで行ってきました。

それぞれのリンクを見てもらえれば分かるかと思いますが、高杉奈緒子さんは聴覚障害の持ち主でハンディキャップを背負ったままロードレースに参加し続け、現在は全日本ロードレース選手権に参戦するまでになった方です。

私も聴覚障害を背負いながら20代前半をTZ125やRS125Rで関東選手権や菅生選手権を転戦したことがありますが、才能がなかったのとバイクブームの終わりかけ?でエントリー多数で予選落ちがほとんどでパッとしないまま身を引きました。


当時の私を取り巻く環境はそれは厳しいものでした。

彼女も同様な問題を抱えていたかと思いますが、ひとつひとつていねいにクリアしていったので現在があるのだと見ています。
愛嬌の良さ、ファンサービスを事欠かさないマメさ、チームやスタッフへのケアも忘れないキビキビさ。
何よりも長年、コツコツと人間関係、レース環境、スポンサー、チームとの関係を築き上げていった彼女の努力の賜物かと思います。



私はロードレースを離れて数年が経ち、クライミングに参加するようになりましたが以前と変わらず問題を抱えています。
つまり成長してない(^_^;


ひとつ言えることは。


助けてもらうことばかりでなく健常者をも助けてあげられるだけの実力を身につける



身につけると一言で言えば簡単ですが、実際はそれだけのスキルを身につけるのに才能のありなしに関わらず長年の努力が必要だと思います。
彼女を例にあげると、自分がサーキットを走ることの価値をよく知ってると思います。
単純に「自分がレースに出たい。だからおまえらバイクとか整備とかよろしく」では誰もついてきません。
自分がレースに出るためにはどうすればいいのか。自分がレースに出ることで誰にメリットがあるか、などを彼女はよく理解し、その行動が日頃のファンサービスに現れていると思います。

支援金を集めて「集まらないし、他のことやりたいからやめますね」な聴覚障害者を知っているので比較しても彼女は自分の影響力をよく理解し、足りないならどうすればいいかをよく考え、それを行動していると思います。


楽しくマイペースでやりたいだけだったら、何も好きこのんで聴覚障害者のいない世界に飛び込む必要はありません。
聴覚障害者だけで理解し合える人たちだけで身の丈に合ったスポーツを楽しめばいいんです。
デフリンピックもありますし、ろうあスポーツ大会もあります。世界選手権もあるみたいです。
それに参加することが悪いとは言いませんが、果たして社会に貢献してるかと言えば私的には疑問符がつきます。

とりとめもなくなってしまいましたが、ひとつ言えることは

「彼女は才能や環境に恵まれただけのライダーではない。彼女がコツコツと積み重ねていった努力の結果が今になって形として現れている」



年末年始